腰痛の治療は症状の原因や程度によって異なります。
また、原因が多岐にわたり、原因がはっきりしないことがほとんどです。
まずは、一般的に腰痛になった時に試している方法をお伝えし、その後医学的介入をした治療をお話します。
1安静と休息:
腰痛が軽度な場合、適切な安静と休息が有益です。過度な活動を避け、横になったり、軽い運動を行ったりすることが勧められることがあります。しかしまったく動かないで寝てばかりいることはおすすめできません。
2温熱療法:
湿布や温水ボトルなどの温熱療法は、筋肉の緊張を和らげ、血液循環を促進するのに役立ちます。
3氷療法:
急性な腰痛や炎症がある場合は、氷を使った冷却療法が有効です。氷パックを使って腰を冷やし、腫れや痛みを軽減することができます。
4姿勢の改善:
正しい姿勢を保つことは、腰痛の予防や改善に重要です。デスクワークや長時間の座り仕事をしている場合は、適切な椅子やデスクの使用が必要です。これはなかなか自分で気が付くことができないので癖になっていることが多いです。整骨院などで座り姿勢などを診てもらうことも有用かと思います
5ストレス管理:
ストレスは腰痛を悪化させる要因の一つとされています。リラックス法やストレス管理技術を学ぶことが、症状の緩和に寄与する可能性があります。たとえば呼吸方法を学んだり、お風呂の中で最低15分程度浸かってリラックスしたりということが具体的には上げられます。
これらを実践してもなかなか改善が見られない場合は病院を受診しましょう。
病院では画像診断や身体診察により、現在の病態を把握して治療を行うことができます。
レントゲンである程度把握できますが、症状がひどい場合はMRIで調べることができます。
治療としては大きく分ければ 内服治療、神経ブロック治療、運動療法の3つになります。
内服治療はいわゆる非ステロイド消炎鎮痛薬(ロキソニンなど)や筋弛緩薬、痛みが強い場合はオピオイド(いわゆる医療用麻薬)を使い分けて治療をしていきます。
ブロック治療は硬膜外ブロック、神経根ブロック、トリガーポイントブロック、椎間関節ブロックなどがあげられますが、医師の診察のもとどの注射が適切なのかをお話しながら決めていきます。一般的に腰痛のブロック注射はなかなか1回ですっきりなおるということはなく数回通ってもらうことになると思われます。
最後に運動療法ですが、理学療法士が患者様1人1人のお身体を診察し、体幹の強化、インナーマッスルの強化、適切姿勢の訓練、柔軟性訓練などのメニューを選択して治療します。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任