首の痛みには重篤な疾患が隠れている可能性があるので一度、整形外科などの医療機関で客観的な検査を受けることをお勧めします。
接骨院は国民健康保険を使って治療することができますが、医療機関ではありません。接骨院は医療機関ではないので整形外科のような医療的な処置をすることができません。あくまで応急処置ということになります。
整形外科は医療機関ですので、レントゲンやCT、MRIなどの画像診断で客観的に評価することができます。一度、首の痛みは整形外科で検査をうけることをおすすめいたします。
首の痛みにおける「レッドフラッグ」というものがあります。レッドフラッグとはより深刻な病態が存在する可能性を示唆する症状や徴候を指します。
これらの警告信号には注意が必要で、発見された場合は迅速な整形外科での検査が推奨されます。
以下は首の痛みに関連するいくつかの重要なレッドフラッグです。
1. 年齢の影響
20歳未満または50歳以上で新たに発生した頚部痛。
2. 重大な外傷の既往歴
自動車事故や落下など、頚部に重大な外傷を受けた後の痛み。
3. 持続性の症状
通常の活動に支障を来す程の痛みが6週間以上持続する。
4. 体重減少
説明のつかない体重減少が伴う場合。
5. 夜間痛または安静時痛
夜間や安静時に悪化する痛み
6. 神経学的症状の進行
強度が増すか範囲が広がるしびれや弱さ、特に両手足に影響がある場合。
7. 熱感や発熱
高熱や慢性的な発熱が見られる場合。
8. その他の警告サイン
嘔吐、視覚障害、平衡や歩行の困難、排尿障害など他のシステムに影響する症状。
これらのレッドフラッグが存在する場合は、病理学的な原因が考えられ、感染症、腫瘍、骨折、血管異常などが原因である可能性があります。
したがって、これらの徴候が見られる場合には、専門的な整形外科的評価や追加の検査を行うことが非常に重要です。首の痛みが発生した際には、これらのレッドフラッグを念頭に置きながら、早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任