帯状疱疹後の神経痛は、加齢や初期治療の遅れにより発症リスクが高くなります。
症状が慢性化しやすいため、ペインクリニックで早めの治療をオススメしています。加齢とともに帯状疱疹後神経痛へ移行するリスクは高くなり50才以上の方は2割帯状疱疹後神経痛に移行すると言われています。
1か月~2か月で症状の改善がみられる方もいらっしゃいますが、1年以上治療を継続している方も中にはいらっしゃいます。

帯状疱疹治療法
1.薬物療法
神経障害性疼痛に効く薬
- プレカバリン(リリカ)
- サインバルタ
- アセトアミノフェン(鎮痛薬)
- ロキソニン
上記の薬は、炎症や軽度の痛みに作用します。
トラマドール中等度以上の痛み場合
帯状疱疹の痛みで強い薬を飲むと身体に合わず、胃が荒れる場合があります。その場合、すぐにかかりつけの先生にご相談してください。
2.神経ブロック
硬膜外ブロック
硬膜外ブロックは、背骨の中にある脊髄を包む膜(硬膜)の外側にある硬膜外腔というスペースに局所麻酔薬や炎症を抑えるステロイドを注入する治療法です。神経がかかわっている領域の痛みを和らげるとともに血液の流れを改善します。
起こりうる合併症、注意点
稀に出血量が多くなると、背中に血腫ができる場合があります。血をサラサラにする薬を服用しているとなる確率が高くなりますので事前にスタッフや医師に仰ってください。
また、注射後に力が入らなくなることがありますが、3時間程で症状が改善されます。
星状神経節ブロック
第6.7頚椎の横にある星状神経節の付近の筋肉に局所麻酔をすることで、神経がかかわっている顔・頭頚部・上肢の血液の循環の改善し、同時に痛みを和らげる効果を期待する治療法です。
起こりうる合併症、注意点
仰向けになり頚部を真っ直ぐにし、軽く伸展したところに注射をします。
針を刺している間は、唾を飲みこもうとすると針の位置がズレてしまうため、唾を飲み込まないようにしてください。
注射してから数時間後に息苦しさでてきたり、頚部が腫れてくることがあります。内出血が大きくなると気道狭窄を起こす可能性があるため、速やかに病院にご連絡ください。
まとめ
帯状疱疹は、根気強く戦っていくことが大切です。
後頭部、背中、腹部だけではなく耳の中にまで発症し、出現した部位によっては後遺症を残します。初期の場合、早く治療した方が、後遺が残るリスクは低くなるため、早めの受診をオススメします。

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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任