慢性疼痛とは?
痛みは生体の警告系として重要な役割を果たす。歯が痛むときは歯科、お腹が痛い時には内科で診察を受け、そして我々理学療法士は日々の診療の中で関節可動域の制限などの原因を痛みから分析するなど、痛みを評価することで機能改善の一助としている。痛みはあらゆる疾患、病態のサインとなり、この痛みによって生体は危険を察知し、怪我や病気から身を守るといった防御システムの役割を果たし生命の維持に関わっている。
しかし生体の警告系の役割を果たさず長引く痛みが「慢性疼痛」といいます。
少し難しい表現になりますが、国際疼痛学会での痛みの定義は「実際の組織損傷が起こりうる状態に付随する、あるいはそれに似た感覚かつ情動の不快な体験」としています。つまり怪我をしていなくても心理的、社会的要因によって痛みは新しく生まれるし、増幅するということです。