帯状疱疹とは、神経に隠れていたウイルスが免疫力が落ちた時に活性化することで発症する病気です。
多くは胸や背中、腹部などの上半身に現れ、今回のご相談者さんと同じように顔に現れる場合もあります。
ですが、帯状疱疹の場合は、顔面頭部の皮膚に赤くジュクジュクした水ぶくれが出ることがほとんどです。
今回のように目の周りの粘膜に症状が出てているものは、単純ヘルペス感染症の1型であると考えられます。
皮膚に水ぶくれ:帯状疱疹
粘膜に水ぶくれ:単純ヘルペス
単純ヘルペス感染症も、過去に感染したウイルスが体に残っていて、風邪をひいたりして免疫が弱ったときに、口唇や目の粘膜といった、過去に発症したのと同じ部位に小さな水ぶくれが現れます。
1型は主に口の周りにできるのですが、今回のように目の周りにできることもあります。
基本的な治療は、抗ウイルス薬の内服にてウイルスの増殖を抑えます。症状が強くない場合、患部を優しくせっけんで洗い、丁寧に水で洗い流して清潔にすることでも治療効果は見られます。
また、帯状疱疹、単純ヘルペス感染症のいずれも、一度感染すると症状がおさまった後も体内にウイルスが潜んでおり、免疫が下がっているときに再発する恐れがあります。
再発する頻度について、
単純ヘルペスは、疲れたり、風邪をひいたりしたときに、毎年のように発症する方もいますが、帯状疱疹は1度発症すると免疫が活性化されて、その後20年くらいは発症することは稀です。
一方で、発症した時の症状の重症度は、単純ヘルペスは1日で治ってしまう場合もありますが、帯状疱疹では、3~4週間にわたって皮膚の症状が続き、場合によっては神経痛は一生残ってしまいます。
部位 | 頻度 | 重症度 | 期間 | 後遺症 | |
帯状疱疹 | 皮膚に水ぶくれ | 一度発症するとしばらく発症しない | 思い | 長い | あり (神経痛) |
単純ヘルペス | 粘膜に水ぶくれ | 毎年のように繰り返す | 軽い | 短い | なし |