長時間同じ姿勢で座らないことが望ましいですが、それが難しければ、座り方や姿勢の改善をするとよいでしょう。座る姿勢が身体に負担がかかることは分かっていても、お仕事の関係で長時間座るこを避けることが難しい場合もありますよね。座る姿勢が生活の大半を占めているのなら、座る姿勢を正すことが腰への負担を軽減する近道です。
日本人は世界中で一番座っている時間が長いといわれています。
座っている状態は上半身の体重がすべて腰にかかるため、腰への負担が大きく、座っている時間が長ければ長いほど腰痛を引き起こす原因となります。筋肉は体を動かしながら使うよりも、同じ姿勢を取り続けるほうが疲労を蓄積しやすい傾向があり、特にデスクワーク中は椅子に座ることで腰回りを動かす機会が減るため、腰回りに疲労が集中しがちです。
座ること自体が腰に負担がかかりますが、普段以下のような姿勢で座っている場合は、特に注意が必要です。
- 前かがみで背骨が丸まった猫背の状態が定着してしまうと、腹筋や背筋の筋力が衰えてしまいます。そうすると、体が上手く支えられなくなり、腰にかかる負担も大きくなってしまいます。
- 「反り腰」は名前のとおり腰が反ってしまっている状態のことをいいます。筋肉の衰えやバランスの崩れ、体重の増加などによって、正しい姿勢で体を支えられないと、反り腰になってしまうことがあります。反り腰も腰への負担が大きく、慢性的な腰痛を引き起こしやすくなります。
- 脚を組んでいると体の重心がずれ、骨格のズレやゆがみにつながります。
そうすると、体全体のバランスが崩れて、腰にも不自然な力がかかってしまい、腰痛の原因となります。
正しい姿勢で座るためには、骨盤を立てることが大切になってきます。
イスに深く腰かけ、膝を垂直に曲げ、両足の裏がを床につくようにまっすぐ座ります。
座骨(骨盤の一番下にある骨)がイスの座面に左右均等に当たっていることを意識して、背筋をまっすぐ伸ばします。
両肩と両ひざの位置が左右水平になるように姿勢を整えます。
このようにすると、骨盤を立たせた座り方ができ、腰への負担を軽くすることができます。猫背でもなく、反り腰でもない位置で上半身を止めるとベストな座り姿勢となります。
しかし、正しい座り方に慣れてないあいだは、意識をしないと時間が経つにつれて、自分が楽な姿勢に戻ってしまいます。できるだけ常に正しい座り方を意識して、骨盤を立てた姿勢を体に覚えさせて自然に正しい姿勢になれるようにしていくことが大切です。