骨密度が低いという結果が出た場合、骨粗しょう症のリスクが高まるため、早めに対策を取ることが重要です。治療や改善策は、以下のようにいくつかのステップで進められます。
1. 医師の診察と原因の特定
骨密度の低下の原因は、加齢だけでなく、栄養不足、ホルモン異常、薬剤の影響など多岐にわたります。以下の点を確認することが一般的です
- カルシウムやビタミンDの不足
- 閉経後のエストロゲン低下(特に女性)
- 甲状腺や副甲状腺の異常
- 喫煙や過度の飲酒
これらの原因に基づいて適切な治療が行われます。
2. 生活習慣の改善
栄養の見直し
- カルシウム:乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)や小魚(ししゃも、いわし)、豆腐などを積極的に摂取しましょう。
- ビタミンD:日光浴でも摂取でき体内生成を促し、食べ物だとサケ、サンマ、きのこ類(特に干ししいたけ)なども摂りましょう。
- タンパク質:肉、魚、大豆製品をバランスよく取り入れましょう。
運動
- 適度な負荷をかける運動(ウォーキング、軽いジョギング、筋トレなど)をする事で骨強化につながります。
禁煙・節酒
喫煙や過度のアルコール摂取は骨密度を下げる要因となるため、控えましょう。
3. 薬物療法
骨粗しょう症や骨密度低下が進行している場合、医師の指示で薬が処方されることがあります。
主な薬の種類
- ビスホスホネート製剤:骨の破壊を抑える。
- 活性型ビタミンD:カルシウムの吸収を助ける。
- ホルモン補充療法(HRT):閉経後の女性に効果的。
- 骨形成促進剤:新しい骨を作る作用がある。
これらは状況に応じて選ばれ、定期的に骨密度の変化を確認しながら治療を進めます。
骨密度の状態は定期的に検査することで、治療の効果や進行を確認できます。半年ごとの検査が推奨されます。
骨密度が低いと感じたら、早めに整形外科や内科で専門医の診察を受けることが大切です。改善に向けて、生活習慣と薬物療法を組み合わせていきましょう。
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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任