膝の痛みがあります。自宅でできるストレッチはありますか?

あります‼︎

しかし、膝の痛みといっても、原因によってするべきストレッチが違います。まずは、膝が痛くなる原因を理解して、それにあったストレッチを行いましょう。

例外)安静にしている状態でも膝に痛みがある場合はどのような病態でも炎症期です。炎症期は筋力トレーニングやストレッチは避け、アイシングをして安静にしましょう。

膝の痛みは、痛い場所によって原因が違う!

「膝」といっても、「膝全体」、「膝の内側」「膝のお皿の外側」など、詳細にいうと場所があるはずです。部位別に特有の疾患や病態をおさらいしましょう。

膝の痛みは、共通して筋肉の柔軟性の低下が原因で痛みを引き起こすことが多いです。

膝のお皿の直上の痛みなら「大腿四頭筋腱炎」

大腿四頭筋腱炎とは太ももの前面に大腿四頭筋という大きい筋肉があります。大腿四頭筋は膝を伸ばす、股関節を曲げる、などの働きをしており、オーバーユースや柔軟性の低下により腱部が牽引されて痛みが生じます。

押したとき、歩いているとき、運動しているとき、スクワットをしているときなどの場面で痛みが生じるのであれば、大腿四頭筋腱炎が疑われます。

お皿の直下の痛みなら「ジャンパー膝」

お皿から2〜3cm下…オスグッド・シュレッダー病

大腿四頭筋腱炎と同様に大腿四頭筋の牽引痛により痛みが生じる疾患です。どちらも10代のスポーツ少年に多いといわれています

膝の内側の痛みなら「変形性膝関節症」

変形性膝関節症とは加齢に伴う軟骨のすり減りにより、骨が変形しぶつかりあうことで痛みが生じる疾患です。

体重をかけたとき、階段を降りるとき、膝の内側を押したときに痛みがある場合は変形性膝関節症が疑われます。

膝の内側下方の痛みなら「鵞足炎」

この部分を鵞足といいます。ここには縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの腱が付着しています。どれもオーバーユースや柔軟性の低下により鵞足部に痛みが生じます。

膝の痛みに効くストレッチ

上記4つの原因に対して効果的なストレッチを紹介します。

大腿四頭筋腱炎、ジャンパー膝、オスグッド・シュレッダー病、変形性膝関節症に効果的なストレッチ

  1. ストレッチしたい方の足が上になるように横向きに寝ます。
  2. 足首を持って後ろに引きつけます。
  3. 膝が天井に向かないようにまっすぐ後ろに引きつけましょう

反対の足は股関節を曲げるとより効果的に大腿四頭筋をストレッチできます。

鵞足炎に効果的なストレッチ3選

①うつ伏せになり、お尻より外側で足首を持って引きつけます。

②四つ這いになり、ストレッチしたい方の足を横に広げます。できるだけ踵を遠くに伸ばすことを意識してストレッチしましょう。ももの内側が伸ばされている感覚があればバッチリです。

③仰向けで寝ます。両手でストレッチしたい方の腿裏を抱えます。そのまま膝を伸ばし続けてください。

すべてのストレッチを30秒かけて行います。反動はつけずにジリジリと伸ばしましょう。

膝の痛みなら、当院にご相談ください

今回は膝の痛みを伴う一部の疾患を例に取り、ストレッチを紹介しました。他にも気になる症状があったら、ご相談ください。一緒に運動、ストレッチをして健康な身体を手に入れましょう。

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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。

【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任

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