腰痛の原因は、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、運動不足、加齢などさまざまです。腰痛に悩まされている方は非常に多く、厚生労働省の調査でも「自覚症状のある不調」の上位に常にランクインしています。
今回は、医療機関の視点から、腰痛改善のためにおすすめのトレーニングをご紹介します。

腰痛改善に運動は有効なのか?
慢性腰痛には「適度な運動」が効果的
腰痛があると「動かさない方が良いのでは?」と心配になる方も多いですが、実は適切な運動は腰痛の改善・予防に非常に効果的です。
もちろん、痛みが強い急性期(ぎっくり腰など)の場合は安静が必要ですが、慢性的な腰痛では「動かして支える筋肉を鍛える」ことが重要になります。個別の症例ごとに検討する必要がありますが、急性腰痛、慢性腰痛に対しての運動療法はそれぞれGrade B , Grade Aとなっています。十分エビデンスもあるといえます。
体幹トレーニングと姿勢改善で腰痛を治す!

筋肉を鍛えることで、腰椎や骨盤への負担を軽減し、姿勢の安定性が高まります。特に「体幹(コア)」と呼ばれる腹筋や背筋、骨盤周囲の筋肉を強化することが効果的です。
また、現代社会の生活様式によって、「sway back(スウェイバック)」という姿勢が多く見られます。sway back姿勢の特徴は、骨盤が足よりも前に出て、腰椎が通常よりも大きく反り、猫背のように見えること、さらに頭が前方に突き出ている状態です。
腰痛改善におすすめのトレーニング
1. ブリッジ(ヒップリフト)

目的
臀部・体幹の強化
方法
仰向けに寝て膝を曲げます。足は肩幅に開き、両手は体の横に置きます。お尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝までが一直線になる位置まで上げます。
2. ドローイン

目的
腹横筋(インナーマッスル)の活性化
方法
仰向けまたは座った状態で、鼻から息を吸い、お腹をへこませながらゆっくり息を吐きます。お腹をへこませたまま10秒キープします。呼吸は自然に続けましょう。
当院では、腰痛トレーニング指導を行っています。
当院では、理学療法士や運動指導の専門家が、一人ひとりの腰痛の原因や身体の状態を詳しく評価し、安全で効果的な運動プログラムをご提案しています。医師の診察のもと、運動療法・姿勢指導・生活習慣のアドバイスを組み合わせ、根本から腰痛の改善を目指します。
腰痛でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。正しい知識と専門家のサポートで、痛みの少ない快適な日常を取り戻しましょう。

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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任