リハビリ期間については個人差が大きく、「何週間で治る」と明確にお伝えすることは難しいですが一般的には数ヶ月から、長い場合で3年程度かかることもあります。
【五十肩とはどんな状態か】
いわゆる「四十肩・五十肩」は、正式には肩関節周囲炎と呼ばれます。
肩関節の周囲に炎症が起こることで、痛みや動かしづらさが生じる状態です。
40〜60代に多くみられ、はっきりとした原因がなく発症することも少なくありません。症状は大きく3つの時期に分けられます。

■ 初期(炎症期)〈2週間〜3ヶ月〉
安静時や動作時に痛みが出る時期です。
・肩を動かし始めると痛い
・腕を上げると痛い
・夜間にズキズキとした痛みがある
■ 中期(拘縮期)〈数ヶ月〜1年以上〉
痛みはやや落ち着きますが、肩の動きが制限され、日常生活に支障が出てきます。
・肩が上がらない
・後ろに手が回しづらい(結滞動作の制限)
・服の脱ぎ着がしづらい
■ 終期(回復期)〈発症から半年〜3年〉
痛みが軽減し、徐々に動きが改善していく時期です。
肩関節周囲炎は、放置していても自然に改善することがあります。しかし、多くの方が数ヶ月我慢してから受診されるため、その時点で関節が固まってしまっているケースが少なくありません。
その結果、可動域の改善に長い時間がかかってしまいます。
「肩が痛い」「動かしにくい」と感じた段階で、早めに専門医へ相談することが大切です。
【治療方法とリハビリの内容】
治療では、まず痛みのコントロールを行います。
消炎鎮痛薬の内服や、必要に応じて関節内注射(ヒアルロン酸やステロイドなど)が行われます。特に炎症期は、無理に動かすよりも炎症を落ち着かせることが回復への近道です。
リハビリは、状態に応じて段階的に進めていきます。
■ 炎症期
まずは安静を基本とし、痛みを悪化させないことが重要です。
・アイシングなどのケア
・内服・外用薬による鎮痛
・就寝時のポジショニングの工夫
・痛みのない範囲での軽い運動
・肩周囲の筋肉の緊張を和らげる
・温熱療法による血流改善
■ 拘縮期
徐々に関節の動きを改善するための運動療法を行います。
・振り子運動(腕を下げて揺らす)
・タオルを使ったストレッチ
・壁を使って腕を少しずつ上げる運動
また、肩の動きは肩関節だけでなく、肩甲骨や体幹とも密接に関係しています。
そのため、姿勢の改善や肩甲骨周囲筋のトレーニングも行い、肩への負担を減らしながら動きを回復させていきます。

【おわりに】リハビリ期間と大切なポイント
リハビリ期間については個人差が大きく、「何週間で治る」と明確にお伝えすることは難しいのが現状です。一般的には数ヶ月から、長い場合で3年程度かかることもあります。
ただし、適切な時期に適切な治療とリハビリを行うことで、回復を早めたり、可動域制限を最小限に抑えることは可能です。
一方で、
・痛みを我慢して無理に動かす
・痛みを恐れて全く動かさない
といった対応は、回復を遅らせる原因になります。
「どこまで動かしてよいか」を見極めることが非常に重要です。
肩関節周囲炎は放置していても改善することがありますが、受診が遅れるほど回復に時間がかかる傾向があります。違和感の段階で早めに相談することが、結果的に早期改善につながります。
当院では、お身体の状態を丁寧に評価し、その方に合ったリハビリをご提案しています。
肩の痛みや動かしづらさでお困りの方は、お気軽にご相談ください。日常生活の動作を無理なく取り戻せるようサポートいたします。

