肋間神経痛は、肋間に沿った神経が痛む症状のことを指しています。あばらや背中、胸部からおへそ周辺など、痛みの原因によって現れる箇所・痛みの頻度等は異なりますが、「ピリピリとした痛み」「電気が走るような痛み」と表現されることが多いです。肋間神経に帯状疱疹が生じて神経痛が出る場合もあります。
よって、「帯状疱疹による肋間神経痛」なのか、「それ以外の原因による肋間神経痛」なのか、分からない、というのが正確な質問になります。
帯状疱疹以外による肋間神経痛の原因としては
①脊椎が原因となるもの
②肋間神経が原因となるものがあります。
①は、変形性脊椎症・胸椎椎間板ヘルニア・脊椎腫瘍など
②は肋骨骨折、肋骨腫瘍、肋間部の手術後の神経損傷など
に分類されます。
<帯状疱疹による肋間神経痛の特徴>
- 皮疹(あかいポツポツ、水疱を形成する湿疹)
- 皮膚表面の異常知覚(触っただけでピリピリする)
- 体を動かさなくても電気が走るような痛みがある
- 楽しいことを集中してやっていると痛みが少なくなる
このような症状がある時は、帯状疱疹による肋間神経痛であると考えられます。
<それ以外の原因による肋間神経痛:①脊椎が原因となるもの>
- 前屈、後屈など脊椎を動かしたときに響く痛み
- 重いものを持ってから、など、きっかけがある
- 同じ姿勢を続けると痛くなる このような随伴症状があると、脊椎が原因と考えられます。
<それ以外の原因による肋間神経痛:②肋骨骨折>
- 転倒や身体をひねる動作、ときに咳が原因で起こる場合もあります。
鑑別を上げていくとキリがないのでこの辺りにしておきます。
上記のような判断材料はありますが、帯状疱疹であった場合、早期に治療を開始しないと、帯状疱疹後神経痛といって長期にわたって痛みに悩まされるケースもありますので、ご自身で判断することはとても難しいです。
まずはお近くの整形外科を受診し、画像診断が必要かどうか判断をしてもらうと良いでしょう。
当院では、レントゲン検査による画像診断をおこない、場合によっては他の医療機関へのMRI検査を促し、原因を明らかにして消炎鎮痛剤などの内服や神経ブロック注射にて治療をおこなっていきます。