腰痛といっても原因は様々です。また、腰痛は腰痛診療ガイドラインで下記のように定義が示されています。
部位:体幹後面に存在し、第12肋骨と殿溝下端の間にある、少なくとも1日以上継続する痛み。
監修:日本整形外科学会 日本腰痛学会
片側、または両側の下肢に放散する痛みを伴う場合も、伴わない場合もある。
有症期間:急性腰痛(発症からの期間が4週間未満)、亜急性腰痛(発症からの期間が4週間以上、3か月未満)、慢性腰痛(発症からの期間が3か月以上)の3つに大分される。
原因:脊椎由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性、そのほかに定義される。
編集:日本整形外科学会診療ガイドライン委員会 腰痛診療ガイドライン策定委員会
「腰痛診療ガイドライン 2019(改訂第 2 版)」、南江堂
今回、筋力をつけるように医療機関からアドバイスを受けたとのことで、ご相談者様は「慢性腰痛」にて、「運動不足による腰回りの筋力・柔軟性の低下」がみられたのではないでしょうか。痛み方によって鍛えるべき筋肉が異なりますので、症状にあったトレーニングを行うことで、腰痛の改善を目指しましょう。
前屈腰痛(前かがみの姿勢をとった際に生じる腰の痛み)は、”背中”の筋力を鍛えるトレーニング、
のけぞり腰痛(体をそらした際に生じる腰の痛み)は、”腹筋”を鍛えるトレーニングを行いましょう。
■筋トレを行う際の注意点
・全ての腰痛に対して筋トレが効果的というわけではありません。
ご自身の判断で始めるのではなく、まずは医療機関にかかりましょう。
・いきなり多くの回数を行うのではなく、ゆるやかに回数を増やし、無理のないペースで正しい姿勢を意識しながら行うとよいでしょう。継続することが大切です。
■前屈腰痛の方に適した背筋を鍛える筋トレ
スパインヒップリフト
1.仰向けの状態で両膝を立て、肩幅程度に脚を広げます。
2.両手を体の真横に置き、手のひらを床に向けます。
3.背中を上げて、膝~背中が一直線になるようにします。
4.3の状態を20秒保つようにします。
このトレーニングを20秒3セット行いましょう。
■のけぞり腰痛の方に適した腹筋を鍛える筋トレ
ドローイン
1.仰向けの状態で両膝を立てます。
2.お腹を風船のように空気をため込むイメージで、深く息を吸い込みます。
3.お腹がふくらみきったら、ゆっくり時間をかけて空気を吐き出します。
4.3の動作を30秒~1分程度一回一回しっかり時間をかけて行います。
座ったままでも行える簡単なトレーニングなので、仕事の合間や移動中にしてみてもいいですね。