整形外科では猫背の治療を行うことができます。
猫背は背中が丸くなる姿勢の問題で、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、日常生活の悪い姿勢が原因で発生することが多いです。
整形外科での治療は、姿勢の評価と指導から始まり、必要に応じて物理療法や運動療法が提供されます。
また、重度の猫背やそれに伴う痛みがある場合は、より専門的な介入が必要になることもあります。また単なる椎間板の変形により脊柱が変形して猫背になるのではなく、骨折して猫背になることもあります。
その中で一番多いのが、腰椎圧迫骨折です。
腰椎圧迫骨折になってしまうと治療が必要になります。今回は圧迫骨折などがない場合の猫背を例にしていきます。猫背の改善に有効なストレッチやエクササイズを以下に紹介します。
これらの方法は、背中の筋肉を強化し、より良い姿勢を支えるのに役立ちます。
1. 胸のストレッチ
手を背中で組み、肩甲骨を寄せるようにして胸を開きます。この姿勢を15〜30秒維持し、1日に数回行います。
2. 背中のストレッチ
床にうつ伏せになり、手を肩の下に置きます。上体をゆっくりと持ち上げて背中をアーチ状にします。
5〜10秒間ポーズを保ち、リラックスして元の位置に戻ります。
3. ねじりのストレッチ
座った状態で体を一方向にねじり、背中の筋肉を伸ばします。
両側を同じように行い、各方向10〜30秒維持します。
4. エンジェル・エクササイズ
壁に背中をつけて立ち、両腕を壁に沿って上下に動かします。
これを10回程度繰り返します。
5. ショルダーブレード・ピンチ
立った状態で肩甲骨を後ろに寄せるように力を入れ、肩甲骨が触れ合うようにします。5秒保持してリリースし、10回繰り返します。
6. 椅子を使ったストレッチ
椅子に座り、手を頭の後ろで組みます。背中を丸めずに上体を後ろに反らせて胸を開きます。
これらのストレッチやエクササイズは、日常的に行うことで徐々に姿勢が改善され、猫背の解消につながります。
しかし、これらの運動を始める前には、特に既存の痛みや健康問題がある場合は、医師に相談することが重要です。
整形外科の専門医は、個々の状態に合わせた具体的なアドバイスや指導を行うことができ、適切な治療計画を立てる手助けとなります。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任