五十肩に悩んでいます。整形外科で行える治療はなんですか。

五十肩でお悩みの方に当院で行っている「肩関節への注射治療」と「リハビリステーション」の治療についてお答えします。

肩関節への注射治療

トリガーポイント注射

肩の周辺にある「痛みの引き金となる部位」に直接注射することで、痛みの連鎖を断ち切ります。局所麻酔薬や消炎鎮痛剤を注入することで、筋肉の緊張をほぐし、即効性のある痛みの軽減が期待できます。

臨床では、多くの患者さんが注射後に痛みの軽減を実感されています。注射時には一瞬チクッとする痛みがありますが、その後の痛み軽減効果を考えると試す価値のある治療法です。

ブロック注射

痛みのシグナルを伝える神経を一時的に遮断する方法です。肩甲上神経ブロックや肩峰下滑液包内注射などがあり、ステロイド剤と局所麻酔を組み合わせて使用することが多いです。

特に夜間痛が強くて眠れない方や、日常生活動作に支障をきたしている方に効果的です。ただし、糖尿病の方は血糖値が一時的に上がることがあるため、その場合は他の治療法を検討します。

リハビリテーション

関節可動域運動

五十肩によって痛みや硬さがある肩関節に対して、関節に過度な負担がかからないように可動域運動を行います。

運動療法

注射で痛みが和らいだら、適切な運動療法が重要になります。「痛いから動かさない」という悪循環が五十肩を長引かせる一因になっています。当院では患者さんの症状進行段階に合わせた運動プログラムを提供しています。

炎症期:振り子運動や軽い可動域訓練

拘縮期:段階的な可動域拡大運動

回復期:筋力強化を含む総合的なエクササイズ

地道な取り組みですが、長期的な改善と再発予防には欠かせない治療法です。

ストレッチ

五十肩に対して効果的なのは、肩関節周囲の筋肉(特に胸筋、僧帽筋、肩甲下筋など)を伸ばすストレッチです。朝起きてすぐと、入浴後に行うとより効果的です。「いた気持ちいい」程度の強さで行い、痛みが強くなるような無理なストレッチは避けるようにしましょう。

ストレッチは痛みがない範囲で毎日続けることが回復への近道です。当院では正しいフォームをしっかり指導し、自宅でも継続できるよう自主トレーニングの提案もしています。

五十肩でお悩みの方ご相談ください!

五十肩は通常3〜6ヶ月、時に1年以上かかる場合もある慢性疾患です。当院では、症状や生活スタイルに合わせた治療計画を行っておりますので、お気軽にご相談ください。早期の適切な治療と継続的なケアが、回復への最短ルートとなります。

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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。

【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任

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