腰痛の原因は多岐にわたり、日常生活における姿勢の悪さや過度の負荷、加齢による椎間板の変性、さらには重大な疾患が隠れている場合もあります。
今回は腰痛が発生した際、整形外科に行くべき理由について説明します。
整形外科で腰痛の精密な診断と検査ができる?
整形外科では、腰痛の原因を正確に特定するために詳細な診断と検査が行われます。
一般的には問診や視診、触診を行った後、必要に応じてX線、MRI、CTスキャンなどの画像診断を用いて、骨や軟部組織の異常を詳細に確認します。
これにより、単なる筋肉の疲労や炎症だけでなく、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折、腫瘍などの重大な原因を見逃すことなく診断することが可能です。
整形外科医の治療計画が重要
整形外科医は、診断結果に基づいて最適な治療計画を立てることができます。
例えば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合、保存的治療(リハビリテーション、薬物療法、ブロック注射など)から手術的治療まで、患者の状態に応じた幅広い選択肢を提供します。
なかなか整体だと手術のことまでは詳しくわからないことが多いです。
また、骨粗鬆症による圧迫骨折が原因であれば、骨の強化を目的とした薬物療法や栄養療法、運動療法が行われます。
整形外科でのフォローアップ体制
整形外科では、腰痛の原因となる疾患の治療だけでなく、その後のリハビリテーションや予防策についても総合的にケアすることができます。
例えば、当院では「理学療法」や「ゆるトレ」といった運動療法を特徴とした訓練を重要視しています。腰痛の再発予防のための筋力トレーニングやストレッチの指導、生活習慣の改善指導などが行われます。
また、治療の経過を定期的にフォローアップし、必要に応じて治療計画の見直しや追加の検査を行うことで、患者の健康状態を継続的に管理します。
医療的な根拠に基づくアプローチ
整形外科では、科学的根拠に基づく治療を行うことが求められます。
これは、最新の医学研究や臨床ガイドラインに基づいて、最も効果的で安全な治療を提供することを意味します。
整体などの代替療法とは異なり、整形外科の治療はエビデンスに裏打ちされており、治療効果が明確に証明されている方法を用いるため、患者は安心して治療を受けることができます。
整形外科では手術の選択肢を考えることができます
重症の腰痛や保存的治療が効果を示さない場合、整形外科では手術的治療が考慮されます。
例えば、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に対する脊椎手術は、高度な技術と経験を持つ整形外科医によって行われるべきです。
手術によって症状の劇的な改善が期待できる場合もあり、早期の社会復帰や生活の質の向上に寄与します。
まとめ
整体ではわからないことが整形外科で判明することも少なくありません。整体は高い技術をもった方が多く在籍しています。整体に行く前に一度、整形外科で検査することをおすすめします。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任