80代の母が転倒をしてしまい、腰椎を骨折してしまいましたが、骨の強さが心配です。クリニックで骨密度は測れますか?
『骨密度を測る機械の種類』
骨密度を測定する方法は一つではありません。 病院、クリニックによって異なりますので事前に調べていくのがいいと思います。
1. DXA(デュアルエネルギーX線吸収測定法)
最も一般的な方法で、当院もこちらで測定します。 当院では腕(上腕)で測定します。
メリット:精度が高いです。 デメリット:測定する部位によって精度が異なります。
2. QCT(定量的コンピュータ断層撮影)
CTスキャンを利用して骨密度を測定します。
メリット:骨の立体的な構造を評価できるため、詳細な情報が得られます。
デメリット:他の測定と違い被ばく量が多いです。
3. QUS(定量的超音波測定)
超音波を利用して骨密度を測定します。
メリット:被ばくがないため、安全です。 デメリット:測定部位が限られます(例では、かかとなど)
4. pQCT(末梢定量的コンピュータ断層撮影)
腕や脚などの末梢部の骨密度を測定します。
メリット:被ばく量が少ないです。詳細な評価が可能です。
5. RA(ラジオグラフィック吸収測定法)
X線画像を利用して骨密度を測定します。 主に研究や特定の医療施設で使用されます。
それぞれの方法にはメリット、デメリットがあります。検査の目的や状況に応じて適切な方法が選ばれます。
『骨密度を測るときの注意点』
骨密度を測定する時には、いくつか注意点があります。確認して行いましょう。
○服装での注意点
金属製品や厚手の衣類は避け、検査をしやすい軽装を選びましょう。金属はX線を遮るため、検査結果に影響を与えることがあります。
○妊娠の有無(女性の場合)
妊娠中の場合、放射線を使用する検査は好ましくないです。検査前に妊娠の可能性を医療スタッフに伝えることが重要です。
○前回の検査結果
前回の骨密度検査の結果を持参することで、現在の測定値と比較できるので、他院で測ったことがある場合は持参しましょう。
○医療歴
骨折歴、骨粗鬆症の家族歴、服用している薬剤、慢性的な病気など、医療歴を医師に伝えておくことが重要です。より正確な診断が可能となります。
○機器の選択
使用する機器や技術によって測定結果が異なる場合があります。信頼性の高い施設で検査を受けることが望ましいです。
【まとめ 】
当院では、骨密度は4ヶ月ごとの測定をおすすめしております。 一度調べてみたい、もう何年も検査していないという方がぜひスタッフまでお声がけください。
この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任