肩が痛くなると、患者さんは「四十肩?それとも五十肩でしょうか?」とおっしゃいます。それくらい知名度の高い病気であり、悩んでる方も多いのではないでしょうか?しかしながら、肩が痛いからと言って、全てが肩関節周囲炎というわけではありません。

腱板断裂や変形性肩関節症、上腕二頭筋長頭腱炎など、他の疾患である可能性もあります。四十肩、もしくは五十肩だろうと放っておかず、まずは医療機関を受診し、レントゲンやMRI、または超音波などを用いて診断を受けるようにしましょう。

肩関節周囲炎とは

半年程度で治る場合もあれば、痛みが残る人もいます。どのような過程になるにせよ大事なことは、炎症期を過ぎたらリハビリをしっかりおこなう必要があるということです。 安静にしていれば治るという考えは炎症期には正しいですが、拘縮期には誤っています。

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肩関節周囲炎の診断・検査

まずは問診にて痛みの部位、肩の動きの制限がどのくらいなのかを確認します。問診後、腱板断裂などの他の疾患がないかどうかを明らかにするためにレントゲン検査(単純X線検査)を行います。場合によっては、MRI検査を行います。

レントゲン検査

肩関節周囲炎はレントゲン写真では異常がないことが特徴で、これにより他の疾患でないことを診断できます。(除外診断)

治療方法

薬物療法

痛み止めの飲み薬、塗り薬や貼り薬などの外用薬を処方します。一般的に、ロキソニンなどのNSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬が使用されます。

関節内注射

肩関節内にヒアルロン酸を注射します。ヒアルロン酸は関節内に存在し、関節の動きをスムーズにするといった潤滑油のような役割を果たします。そのため、直接ヒアルロン酸を注射することで痛みの軽減が期待されます。

ステロイド注射

日常生活に支障をきたすほどの激しい痛みで、発症から6週間以内の急性期の痛みの場合、ステロイド注射が効果的です。ステロイドは免疫作用を調整し、それにより炎症を抑えることができます。
ステロイド注射には副作用もあるため、医師とよく相談の上、検討しましょう。

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ハイドロリリース注射(筋膜リリース)

その名の通りハイドロ(hydro)=水 で癒着した組織を剥がす治療です。
生理食塩水と局所麻酔などを用い、超音波(エコー)で確認しながら癒着している個所をリリースします。鎮痛効果に加え、可動域の改善に効果があります。

理学療法

症状の発症時期に応じて、肩関節の周りの筋肉や腱の癒着を取り除く運動量療法が必要です。

当院ではブロック注射(肩甲上神経ブロック、肩峰下滑液包ヒアルロン酸注入、肩甲上腕関節ヒアルロン酸注入、筋膜リリース)をし、痛みを軽減させながら、リハビリをしてもらっております。

ブロック注射をすることによって痛みが減りますので、リハビリの時にも有利に働きます。
また硬くなってしまった肩(凍結肩、frozen shoulder)に対して麻酔(腕神経叢ブロック)を施した上での徒手的な関節受動術も行なっております。

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