はい、腰痛をやわらげる「座ったままできるストレッチ」があります!
長時間座りっぱなしのデスクワークは、腰痛の大きな原因の一つです。
特に座った姿勢は、立っているときよりも腰への負担が大きいとされています。そこで今回は、椅子に座ったままできる腰痛対策のストレッチとトレーニング方法をご紹介します。
特にデスクワーク中でも無理なく取り入れられる内容ですので、ぜひ今日から実践してみてください。

腰痛の原因は、骨盤のゆがみと筋肉の緊張
おしりの筋肉(大臀筋)やもも裏の筋肉(ハムストリングス)は、骨盤に付着しています。これらの筋肉が硬くなると骨盤が後ろに引っ張られ、猫背姿勢(仙骨座り)になりやすくなります。
その結果、背中側の筋肉(脊柱起立筋・腰方形筋など)が緊張し、腰の重だるさや痛みが生じやすくなります。
腰痛を予防・改善するトレーニングとストレッチ
【筋力強化】インナーマッスルを鍛える「ドローイン呼吸」

腹筋(特にインナーマッスル)と背筋のバランスが崩れると、姿勢が乱れて腰痛の原因になります。
「ドローイン」は腹圧を高め、正しい姿勢を維持するのに役立ちます。リラックス効果も期待できる簡単トレーニングです。
1. 骨盤を立てて、胸を張ります。綺麗な姿勢で行いましょう。
2. 鼻から大きく息を吸って、口から勢いよく「ふー!!」と息を吐ききります。
骨盤の内側を触れた時に筋肉が収縮して固くなっていればOKです!
【ストレッチ】骨盤を動かして腰の緊張をほぐす
骨盤を前後に動かすストレッチ

骨盤と背中の筋肉はつながっているため、骨盤の動きをよくすることで、背中や腰の筋肉も柔らかくなります。
1. 骨盤に手を当てます。
2. 骨盤を前に倒しながら胸を張り背筋を伸ばしていきます。頭頂が天井から引っ張られるイメージで背中を伸ばしましょう。
3. 骨盤を後ろに倒しながら背中を丸めます。小さくなるイメージです。
骨盤を左右に動かすストレッチ

左右の動きは普段の生活では少ないため、意識的に動かすことで筋肉の緊張をやわらげます。
1. 左右どちらかのお尻に体重を乗せます。反対側のお尻が浮くくらい体重を乗せたら背筋を伸ばします。この時、肩の高さは床と並行のままです。
2. 左右交互に繰り返します。
少し難しい動きなので、初めは鏡をみながら肩の高さが床と並行かを確認しながら行うのが良いかもしれません。
【背筋ストレッチ】座ったままで上半身をしっかりほぐす
背中・腰をリセットする前屈ストレッチ

1. ばんざいをしたまま最大限に伸びをします。
2. 伸びをしたまま背中を大きく丸めるようにゆっくりと前に倒し、30秒キープします。
体の側面をゆるめる側屈ストレッチ

1. ばんざいをしたまま最大限に伸びをします。
2. 伸びをしたままゆっくりと横に倒れていきます。身体の側面を大きく丸めるようにして倒し、20秒キープします。
日常生活で気をつけたい腰痛対策
長時間の座りっぱなしを避けましょう
20〜30分に1回は椅子から立ち上がって上や横に伸びをしたり、身体を捻る運動をしてください。
背中や腰の筋肉がほぐれるだけでなく、椎間板の圧迫を和らげ、腰の病気(椎間板症、椎間関節症、すべり症、椎間板ヘルニア、など)の予防にもなります。
腰にやさしい椅子を選ぶ
座面の低い椅子は猫背の原因になります。
座った時に足の裏が全面接地し、膝が90°のになる高さの座面を選びましょう。また、座面の硬さは、柔らかすぎず、硬すぎないクッション性のものを選びましょう。
理想は「正しい姿勢を保持できる硬さで、長時間お尻が痛くならない柔らかさ」です。
座ったままのストレッチで腰痛を予防・改善!
腰痛に悩んでいる方は、日常の「座り方」と「筋肉の硬さ」に注意が必要です。
今回ご紹介したストレッチやトレーニングを取り入れることで、座ったままでも腰をしっかりケアできます。
特にデスクワークや長時間座ることが多い方は、今日からぜひ始めてみてください!

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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任