健康な日々を過ごすために食事や運動を日頃意識されている方は多くいらっしゃると思いますが、まだまだ「生活習慣病予防検診」については広まっていないように感じます。
まずは、「生活習慣病予防検診」と何なのか、ご説明をさせていただきます!
生活習慣病予防検診とは?
まだ症状がない=健康な状態と考えるのは一般的にベターな考え方だと思います。しかし、予防の考えでいくと特段症状・不調がない方でも体に病気の原因が蓄積されています。
そういった原因を早期に発見し、対処していくことがとても重要です。糖尿病に対して1番身近な検診は血液の状態を調べることが最善の策です。
糖尿病とは?
健常者では血漿中に含まれるグルコースは腎臓で濾過されるため、尿中にグルコースは検出されません。
しかし、糖尿病の患者の血液には腎臓の濾過能力を上回る濃度のグルコースが存在するため、尿中に排泄されます。グルコース、つまり「糖」が血中の中で飽和状態になっています。
このメカニズムが疾患の名前である「糖尿病」と言われるようになった所以です。
糖尿病における生活習慣病予防検診
糖尿病における生活習慣病検診は採血が基本になります。臨床では血糖値が(血漿中のグルコース濃度)が空腹時で126mg/dlであるか、グルコース負荷試験2時間後で200mg/dl以上あるかのいずれかの場合に糖尿病と診断されます。
また3ヶ月前の血糖値を反映する値があります。それをHba1c(ヘモグロビンエーワンシー)といいます。
Hba1cの検査は当日の食事や、運動などの短期間の血糖値の影響を受けません。長期的な血糖値の変化を観察したい方はHba1cを観察することをオススメします。
糖尿病に対する予防対策
血漿中のインスリンの濃度が同じでも筋肉がグリコーゲンを取り込む速度には個人差があります。
取り込む速度が早い場合を「インスリンの感受性が高い」といい、遅い場合を「感受性が低いもしくは、抵抗性がある」といいます。インスリンの感受性が低ければ、血糖値が下がりにくいです。
日頃から活動性が高い人では、そうでない人と比べて、インスリンの感受性が高いです。
このことは運動習慣を身につけることはインスリンの感受性の低下を防止し、血糖値を上げにくくし、糖尿病の予防に繋がることがわかっている。
2型糖尿病の方は、運動する時間にも留意した方が運動からのベネフィットを受けることができます。
血糖や血漿インスリン濃度がピークに達するのは食後30分から60分になります。この血糖値が上がってくるタイミングで運動を行うことにより大量の血糖をエネルギーに変えることができます。
運動による血糖コントロール改善の仕組み
運動を行うとインスリンの感受性が改善し、その後インスリン分泌機能が改善します。血中の糖を輸送機能も調い、糖が正常に利用されるようになり、異常値であった血糖値が低下していきます。
その結果、糖尿病により引き起こされていた眼や足などに出ていた糖の毒性が消失していきます。
糖尿病をお持ちの方が運動する際に気を付けること
- 1型糖尿病患者は低血糖に陥らないように要注意する。
- 2型糖尿病患者は食後30分から60分後に運動を行うことが望ましい。
- 低血糖によるリスクを減らすためにトレーナーと一緒に運動する。
- 血糖値が300mg/dlを超える場合は、注意して運動を行う。
ご自身の体の状態をまず把握することが重要です。その一つとして採血での検査が重要になります。
病気は早期の発見が全般的に言えることです。これまで受けたことがない人もこれをきっかけに医療機関を受診してみてください。
当クリニックでは生活習慣病を治療から予防の観点で携わらせていただきます。
運動と栄養を取り入れた新しいクリニックです。ぜひお越し下さい。