ダイエットにも脂質が大切と聞きました。脂質をとると太るイメージがありますが、とっても大丈夫ですか?

脂質はダイエット中も必ずとって頂きたい、必須の栄養素になります。しかし、脂質にも良い脂質悪い脂質がありますので、見分けてとる必要があります。

ダイエット中、脂質をとる方がやせる理由

①腹持ちする

脂質は消化吸収に時間がかかる栄養素です。そのため、脂質をしっかりととることで、お腹が空きにくくなります。ダイエット中でも、脂質を上手に取り入れることで、空腹などのストレスが少なくなり、継続的なダイエットに繋がります。

②体をクレンジングしてくれる

脂溶性の物質は油でしか洗い流せません。つまり、今ある体の中の汚い脂は、良い脂質をとって落とす必要があります。よって、ダイエット中だからといって、脂質を制限しすぎても脂溶性の老廃物が流れなくなってしまいます

③エネルギー不足による代謝不全を回避できる

脂質は1g 9kcalと、エネルギーをもっている栄養素の中で最も効率良くエネルギーをとることができます。ダイエット中、脂質を制限しすぎると摂取エネルギー量がかなり低くなってしまうため、体が生命の危機と感じ、食べたものをため込みやすい体になってしまいます。よって、ダイエット中は良い脂質を上手くとりいれましょう。

④血糖値が安定する

脂質を控えて、糖質でエネルギーをとろうとすると血液中に糖質が過剰になる可能性があります過剰となった糖質は、体脂肪として蓄えられます。また、血糖値が上がりすぎてしまうと、その分下がるという血糖値の乱高下がおこり、食欲も乱れやすくなります。食欲は血糖値をコントロールすることにより感じにくくなります。よって、ダイエット中も糖質と共に脂質もとることは食欲を安定させることにも繋がります

ダイエットの脂質摂取のコツ

ダイエット中、脂質もとる必要があることはご理解頂けたと思います。しかし、どんな脂質でも良いというわけではありません。脂質をとることが大切ということには変わりありませんが、脂質にも種類があります。体脂肪になりやすい脂質はさけて良質な脂質をとるようにしましょう。

<体脂肪になりやすい脂質>

①飽和脂肪酸

牛脂、豚バラ、鶏皮など肉の脂身に多く含まれています。

②揚げ物、炒め物などに使用する調理油

調理方法によっても悪い脂質の摂取量をコントロールすることができます。ダイエット中は、生のままで食べる、茹でる、蒸す、焼くなどの調理方法がおすすめです。

③お菓子やアイスなどに含まれている植物油脂

ダイエット中は、間食を禁止にするのではなく、質の悪い脂質を含まないものでとりましょう。たんぱく質がとれるものがおすすめです。

④マーガリン、ショートニングなどのトランス脂肪酸

これは、体脂肪への影響だけでなく、あらゆる不調にも繋がりやすい自然界に存在しない脂質です。そのため、こちらは常に避けた方が良い脂質になります。

<良い脂質>

①青魚

青魚にはDHA・EPAが豊富に含まれています。DHA・EPAは血液の流れを良くするため、酸素運搬能力が向上します。酸素は食べたものをエネルギーにかえるために必要です。よって、代謝を向上させることに繋がります。

ダイエット中は、肉に偏らないよう魚の摂取も意識しましょう。

②エゴマ油、亜麻仁油

α-リノレン酸を豊富に含みます。α-リノレン酸はDHA・EPAの材料になります。
魚が苦手な方は積極的にとりましょう。

この記事の監修者

この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。

【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了

【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任

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