帯状疱疹の治療にはどのようなものがありますか?

帯状疱疹は水ぼうそうを発症したことがある方なら誰でもかかる可能性のある病気です。

ストレスや加齢に伴い、発症する可能性は高くなります。
治療法は、

・帯状疱疹を発症してからすぐの治療
・痛みに対する治療
・長引く痛みに対しての治療

など時期や症状により異なります。

帯状疱疹は早期発見・早期治療が大切です。「もしかして帯状疱疹?」と思う症状のある方はご相談ください。

帯状疱疹を発症してからすぐの治療(ウィルス増殖期)

帯状疱疹を発症してからすぐのウィルス増殖期には飲み薬の抗ヘルペスウイルス薬を使用し、治療します。

帯状疱疹の薬は、症状が出てから72時間(3日)以内に飲み始めることで効果が発揮されます。
そのため、気になる症状がある方は早めの受診をお勧めします。

下記は使用されるお薬の一例です。症状が治まっても7日間しっかりとお薬を飲み切ることで効果が期待されます。良くなったからと言って服用をやめず、最後まで根気強く飲み切りましょう

ウィルス増殖期の薬

アシクロビル:1回800mg 1日5回服用 (適応:単純疱疹、水痘、帯状疱疹など)
バラシクロビル:1回1000mg 1日3回服用 (適応:単純疱疹、水痘、帯状疱疹など)
ファムシクロビル、ファムビル:1回500mg 1日3回 (適応:成人の単純疱疹、帯状疱疹のみ)
 *②と効果はほぼ同じですが、錠剤が小さく飲みやすいです。
アメナメビル、アメナリーフ:1回400mg 1日1回食後(空腹時は避ける) (適応:帯状疱疹のみ)

①~③は腎機能に応じてお薬の調整が必要ですが、④は腎機能が低下した方でも飲むことができます。 

痛みに対する治療

帯状疱疹の皮膚の炎症とそれに伴う痛みに対しては消炎鎮痛薬が使用されます。
アセトアミノフェンやロキソプロフェンなどの飲み薬を使用することが多いです。

長引く痛みに対しての治療(神経の痛み・帯状疱疹後神経痛)

皮膚の症状が治っても、神経の損傷によって3ヶ月以上痛みが続くことを「帯状疱疹後神経痛」といいます。

帯状疱疹にはいくつかの合併症がありますが、その中でも多いのが皮膚の症状が治った後でも痛みが発症するケースです。帯状疱疹の皮膚症状が重症の方、痛みが強い方、また50歳以上の方が発症しやすい傾向にあるようです。

長く続く痛みに対しては下記のお薬を使用します。

・抗うつ薬
・リリカカプセル
・タリージェ
・ノイロトロピン
・神経ブロック注射(痛みが強い方)

夜寝るのが辛い締め付けられるように痛い服の着脱が辛いなど、日常生活に支障をきたすほどの痛みが出る方もいます。症状に応じて薬を使い分ける必要があるため、帯状疱疹を発症した時だけではなく、痛みが取れない場合も医療機関(内科やペインクリニック)にご相談ください。

最後に

帯状疱疹を発症後、後遺症を残さないためにも早期発見・早期治療が大切です。
原因の分からない痛みや違和感が現れた際には我慢せず、できるだけ早く受診しましょう。
また、お薬の治療と併せて、しっかりとお休みすることも大切です。
帯状疱疹の治療と並行して、生活習慣の見直しもしていきましょう。

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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。

【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了

【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任

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