整形外科での膝治療は、まず運動療法や薬物療法などの保存療法から始めます。
効果がなかなかでない場合は、状況に応じて骨きり術や人工関節置換術などの手術療法を行います。
膝の病気の中でも変形性膝関節症は軟骨が壊れ、痛みが出る病気です。加齢によって発症することが多く、50歳以上の患者様が急増するそうです。
変形性膝関節症は女性の患者さまが多く、女性ホルモンや男性との筋肉量の違いなどが発症に関係があると考えられています。軟骨は一度壊れるとほとんど元に戻ることはありません。
異変を感じたらすぐに整形外科で検査して対処することが大切です。
整形外科で行う治療について
<保存療法>
早めに行うことで痛みを和らげ、膝の痛みを軽減することができます。まずは下記のような治療を行っていきます。
生活習慣の改善
減量や日常生活で膝にかかる動作の回避をする。痛みが強い場合は杖や手すりを使い、膝への負担を減らします。正座の生活をされている方は椅子に変えるだけでも楽になることがあります。
薬物療法
消炎鎮痛剤(内服薬、座薬)
比較的短時間で効果が出やすい飲み薬を使用することが多く、痛みが軽くなってきたら塗り薬や湿布薬に切り替えます。特に痛みが強い人や、胃腸が弱く内服薬が使えない人には座薬が用いられます。
抗炎症剤(外用薬)
塗り薬として用いるクリームや軟膏、湿布などがあります。湿布は冷湿布と温湿布があり、どちらも炎症を抑える効果を持っています。
ヒアルロン酸注射
膝の関節内にヒアルロン酸を注射する方法です。ヒアルロン酸を注射することで関節の動きを滑らかにしたり、関節の衝撃を和らげたりする役割があります。
装具療法
サポーターや足底板を使い、力のかかる場所を変える方法があります。市販のものもありますが、お身体にあった物を使用するために整形外科へご相談いただくことをお勧めします。
物理療法
電気などの刺激を利用し膝の痛みを抑える温熱療法と寒冷療法があります。
温熱療法は膝を温めて血行を良くし、痛みを和らげるものです。寒冷療法は冷湿布や冷やしたタオルなどを用いて膝を冷やし痛みを和らげるものです。
保存療法で改善しない場合
上記のような保存療法でも痛みが改善されない方は、状況に応じて手術して症状改善を目指します。
膝のことに関して不安を覚えたらまずは整形外科を受診し、レントゲンなどで膝がどのような状態なのか医師しに診断してもらいましょう。
そして適切な治療を受け、日常生活を少しでも快適に過ごしていくことができるよう治療をしていきましょう。
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◾️整形外科の診療について
この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任