腰痛で筋トレはしていい?
慢性的な腰痛であれば基本的に筋トレを行うことは「YES」という回答になります。
これは日本整形外科学会や日本腰痛学会から発表されている診療ガイドラインにも記載されています。発症してから4週間以内の場合は急性期から亜急性期の腰痛と分類されます。
この場合は筋トレは第一選択ではなく、薬物療法が推奨されています。簡単に考えればわかることですが、発症してすぐは痛みで動けないことが多いです。
薬を飲んで痛みをコントロールしながら専門家の指導のもと運動することをお勧めします。
慢性期の場合、腰痛診療ガイドラインでは筋トレを強く推奨しています。以上のことより腰痛がある時期によっては筋トレの優先度が異なりますが、腰痛を改善するためには強く推奨されるものになります。
筋トレした方がいい部位は?
腰痛の原因には様々なことが考えられます。腰痛とは基本的に腰部に負荷が集中して発生します。対処法は負担が加わらない体作りが重要になります。
今回は腰痛を起こさないための筋力トレをする部位について紹介していきます。
基本的な腰痛に対しては腹部のトレーニングが重要になります。それぞれの筋肉を解説していきます。
腹横筋:お腹をコルセットのように全周取り巻いている筋肉です。この筋肉が収縮している自然のコルセットが働くことになり腰部が安定します。腰痛の方はこの腹横筋に随意的に動かすことができないことで引き起こしている場合があります。
多裂筋:体幹を上下に貫く脊柱の1個1個に付着します。背骨の細かなコントロールに重要な働きをします。腰痛がある方はここの筋肉がうまく使えていないことが多いです。
横隔膜:呼吸に関与する筋肉です。肋骨の下端に付着していてとても大きく動きます。焼肉でいうところの「ハラミ」にあたります。おいしいところですよね!つまりトレーニングを行う際は呼吸も意識しながら行うことで効果より感じることができます。
骨盤底筋群:骨盤底筋群はその名の通り骨盤の底部を覆っている筋肉になります。膣まわりを覆っていることから高齢者になると、尿漏れの防止のための訓練などにも入り入れられます。
腰痛に対する基本的なトレーニング
これから紹介するトレーニングは全て呼吸と合わせて行なってください。
腹横筋・横隔膜:仰向けで呼吸を繰り返します。従来の腹筋運動のように少し首をあげるとより効果があります。
多裂筋:プランク(ハンドニー)で姿勢を維持します。多裂筋の筋活動があがります。
骨盤底筋群:ヒップリフトがお勧めです。お尻を上げながら行うことにより、内臓が頭側へ移動するので骨盤底筋群がより収縮しやすくなります。
関連記事
◾️腰痛にきく運動はどのようなものがありますか?
◾️腰痛があります。整体などに通ってみましたが、なかなか腰痛が治りません。今度注射を考えています。注射の種類を教えてください。
この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任