帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因で発症する感染症です。
子供の頃に水痘(いわゆる水ぼうそう)として感染したウイルスが、体内の神経節に潜伏し、免疫力が低下した時に再活性化されて起こります。 主な症状は、体の片側に沿って現れる帯状の痛みを伴う水疱です。
この痛みは神経に沿って生じるため、かなり強いことがあり、発疹が治まった後も帯状疱疹後神経痛と呼ばれる痛みが長期間続くことがあります。
発症の原因としては、
加齢、ストレス、疲労、免疫抑制薬の使用、その他の免疫力低下要因
が挙げられます。
治療
帯状疱疹の治療は、抗ウイルス薬の投与が一般的です。症状が出始めてからできるだけ早期に治療を開始することで、症状の重症化や後遺症を予防することが期待されます。
また、痛みを和らげるための鎮痛剤や、重症の場合はステロイド薬が用いられることもあります。
帯状疱疹みたいな症状が出た場合の対応は?
すみやかに医療機関を受診してください
発疹や痛みが現れたら、できるだけ早く医師の診察を受けることが大切です。
帯状疱疹は早期の治療が重要で、抗ウイルス薬の効果を最大限に得るためには、症状が出てから72時間以内に治療を開始することが望ましいです。
免疫力を高めましょう
十分な休養を取り、ストレスを軽減し、バランスの取れた食事を心掛けて、体の免疫力をサポートすることも大切です。
帯状疱疹が発症した場合、温泉に入っても大丈夫ですか?
基本的には避けた方が良いです。
理由① 感染のリスクがあります
帯状疱疹の水疱にはウイルスが含まれており、破れた水疱からウイルスが他の人に伝染する可能性があります。
特に、まだ水ぼうそうにかかっていない人が感染すると、水痘を発症するリスクがあります。
理由② 皮膚への刺激
温泉の成分によっては、患部を刺激し、症状を悪化させることがあります。
水疱や皮膚の炎症がある状態で温泉に入ると、治癒が遅れる恐れもあります。
理由③ 体力消耗につながります
帯状疱疹は、特に発症初期に体力を消耗することが多いです。
温泉に長時間入ることで、体力をさらに消耗してしまう可能性があります。
どうすればいいのでしょうか?
帯状疱疹が治癒し、皮膚が完全に回復した後であれば、温泉に入ることは問題ありません。治療中は、自宅で患部を清潔に保ち、できるだけ安静に過ごすことが望ましいです。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任