整形外科コラム~肩こり~

肩こりでお悩みの患者様は非常に多いです。
ちなみに肩こりの有病率は地域や人口によって異なり、研究によっても異なる結果が報告されています。
肩こりは一般的な症状であり、特に現代のデジタル機器の普及や仕事のデスクワークが増加したことにより、その発生率が高まっているとされています。
特定の疾患としての「肩こり」の統一された定義はないため、研究においても異なる症状や程度を含む場合があり、それが研究結果に影響を与えることがありり、異なる結果を示しているのかもしれません。

また、肩こりは単独の病気ではなく、ストレス、姿勢、筋肉の緊張など様々な要因に関連しています。まずはご自分で対応する方法をお伝えします。それでも改善がなければ医師に相談をしてください

  1. 適切な姿勢の維持
    長時間同じ姿勢を続けることは、肩こりの原因になります。デスクワークをしている場合は、デスクや椅子の高さを調整し、適切な姿勢を保つように心掛けましょう。
  2. 適度な運動
    肩こりを緩和するために、軽いストレッチや運動が効果的です。首や肩の周りのストレッチを行い、筋肉をほぐすことが重要です。
  3. リラックス法
    ストレスや緊張が肩こりを引き起こすことがあります。深呼吸、瞑想、プログレッシブ・マッスル・リラクセーション(筋肉の緊張を緩和する方法)などのリラックス法を試してみましょう。
  4. 温熱療法
    温かいタオルや温熱パッドを使用して、肩の筋肉を温めることで血行が促進され、緊張が和らぐことがあります。
  5. マッサージ
    プロのマッサージセラピストによるマッサージは、肩こりの緩和に効果的です。自分でできるマッサージも試してみることができます。
  6. 良質な睡眠
    十分な睡眠を確保し、適切な寝姿勢を保つことも肩こりの予防に役立ちます。

以上を心がけていただいても改善がない場合はクリニックへ受診しください。

私の診療経験では両側の頑固な肩こりをお持ちの方は、頚椎の疾患が隠れている場合が多いです。
たとえば変形性頚椎症頚椎椎間板ヘルニアなどです。それらがなくても頚椎のアライメント(骨の並び)が悪い場合、つまりストレートネックと言われる状態でも肩こりを起こします。

治療といたしましては、こりを感じる部分を超音波でチェックして注射にて筋膜リリースを行う治療があります。注射がお嫌いな方であれば、運動療法として姿勢改善のトレーニングや肩甲骨回りのストレッチの指導などが有効です。

関連記事
◾️腰痛にきく運動はどのようなものがありますか?
◾️肩が上がりません。整形外科で肩の痛みはどんな治療をしますか?

この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。

【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了

【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任

| コラム一覧へもどる |