帯状疱疹の初期の症状
多くの人が子どもの頃に感染する水疱瘡と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。 水疱瘡が治った後もウイルスは、背骨に近い神経に、症状を出さない状態で潜んでおり、加齢や過労、ストレスなどによって免疫力が低下するとウイルスが再び目覚め帯状疱疹として発症します。
主な症状は皮膚の痛みや違和感、痒みなど
痛みは神経の炎症によって引き起こされます。
多くの場合皮膚症状と同時または、数日前から一週間前くらいから、または、やや遅れて生じることもあります。 ウイルスの増殖は、皮膚症状の発症から72時間約3日で、ピークに達します。
皮膚科か内科か?
帯状疱疹らしいと気づいた時に皮膚科か内科で迷われる方が多いと思いますが、発疹が見られる帯状疱疹の場合は皮膚科を受診しましょう。 皮膚症状が出ていれば保護などの処置も同時に受けられます。発疹がなく痛みがあり帯状疱疹が不明の場合は内科の診察も考えられます。
帯状疱疹特有の強い痛みは自律神経が緊張して更に悪化し、治りが悪くなるため早めの対策が必要です。
帯状疱疹が再発する原因
水痘・帯状疱疹ウイルスの免疫ができた後に同じように疲労やストレスなどで免疫力が低下すると再発します。
一年以内に発症するケースは稀ですが、膠原病や特にSLEを有する場合には、短期間でも再発することがあります。
帯状疱疹は、主に子どもの頃にこのウイルスに初めて感染すると水疱瘡を発症します。そしてこの水疱瘡が治った後もウイルスは、骨髄から出る神経節という部位に潜んでいます。
帯状疱疹は、特に加齢に伴って発症率が高くなりますが若い方でも風邪などの疾患、疲労、ストレスが原因で水疱瘡の発症経験がある人はどなたでも発症リスクがあります。
さらに帯状疱疹ウイルスによっては
・知覚神経のそばにある運動神経が障害されて麻痺が生じることもある
・顔の場合は、顔面神経麻痺
・お尻の場合は、頑固な便秘や尿閉尿を出したくても出せない状態を引き起こす
といった症状がおこる場合もあります。
帯状疱疹は発症から3日以内に処置をすれば早めに回復に向かいます。 放置しておくと、悪化したり帯状疱疹の痛みや痒みが重症化する原因になりますので、注意が必要です。
まとめ
帯状疱疹の原因は水疱瘡と同じ「水痘、帯状疱疹ウイルス」です。
日本人の90%以上の人の体内に潜んでいます。 加齢やストレス疲労などにより免疫力が低下すると再びウイルスが目覚め活動を始めます。
皮膚の痛みや痒み発疹などの症状が出たら 重症化する前に早めに皮膚科や内科を受診してしっかり治療しましょう。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任