効果的なストレッチを行うにあたり、痛みが出現する動きによって行うと良いものは変わってきます。
- 腰を曲げると痛くなる腰痛
- 腰を反らせると痛くなる腰痛
- どちらに曲げ伸ばししても痛くなる腰痛(こちらについては、背骨の中で複数箇所の原因があることがあるため、レントゲンやMRIで状態確認を行うことをおすすめいたします)
今回は最初の2点について説明いたします。
腰を曲げると痛くなる腰痛
主に椎間板ヘルニアや椎間板症の方で痛くなることが多く、お尻の筋肉やもも裏、背中の筋肉が硬くなりやすく、骨盤を前に起こすことが難しくなります。
①お尻の筋肉のストレッチ(右側を伸ばす場合)
イスに座って行う方法
- 足の裏が床についた状態で行います
- 右足首を左ひざに組みます
- 組んだ状態から、胸を張って背筋を起こします
- 背筋を起こしたまま、ゆっくり体を前に倒します
②もも裏のストレッチ(右側を伸ばす場合)
イスに座って行う方法
- 足の裏が床についた状態で行います
- 右足をひざが伸び切る手前ほどまで伸ばします
- 胸を張って背筋を起こします
- 背筋を起こしたまま、ゆっくり体を前に倒します
- 更に余裕があれば右足のつまさきを手前に引きます
腰を反らせると痛くなる腰痛
主に脊柱菅狭窄症や腰椎分離症の方で痛くなることが多く、ももの前側や足の前側の付け根、腹筋の筋肉が硬くなりやすく、反り腰になりやすい傾向があります。
①足の付根(腸腰筋)のストレッチ(右側を伸ばす場合)
つかまり立ちで行う方法
- 前方にイスの背もたれやテーブルほどの高さのものの前で行います
- 右足をおよそ2足分後ろへ引きます
- 右のかかとを上げて右足をつま先立ちの状態にします
- 支えるものに捕まりながら背を高くするように体を起こします
(左足は少しずつ曲げていき、重心を前へ移動させます)
②ももの前側のストレッチ
つかまり立ちで行う方法
- 前方に壁(前側に手をつけるように)、イスの背もたれやテーブルほどの高さのものの前で行います
- 支えにつかまった状態で、右足首を右手で持ちます
- 胸を張って背筋を起こします
- 右手でゆっくり後ろへ引いていきます
今回は主に座った状態やつかまり立ちで行えるストレッチを紹介していきました。
ストレッチは痛みを押して行うとかえって筋肉が緊張してしまうため、かえって逆効果になるため、痛みが出る手前で止めて行うこと、呼吸を止めずに行うことの2点に注意をすることで、効果的なストレッチを行うことができます。
当院では、ゆるトレや理学療法でもストレッチ指導を行っておりますので、気軽にお声掛けください。
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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。
【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了
【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任