帯状疱疹とはどんな病気ですか?

実は今、この帯状疱疹にかかる人がとても増えています。

家族や親しい人が帯状疱疹にかかり、痛みを訴え、次々と増える水膨れで辛そうにしている様子をみて心を痛めている人。またはご自身が罹患して中々治らず悩んでいる人もいらっしゃるでしょう。
あるいは、テレビコマーシャルなどで盛んに流れている帯状疱疹ワクチンについて、「予防できるなら自分もワクチンを打っておきたい」「しかしよくわからないので不安もある」という方もいると思います。 

帯状疱疹の原因子どもの頃にかかった水疱瘡のウイルスです。このウイルスは治ったあとも神経の内部に潜伏し、忘れた頃に再活動を始め皮膚に帯状に赤い発疹や水ぶくれができます。

激しい痛みを伴うことが特徴で、特に50歳以上の方や免疫力が低下している人に多く見られます。神経に沿って症状が現れるため、後遺症として神経痛が残ることもあります。

帯状疱疹の診断問診と視診に加えて検査キットなどを用いて確定する事もあります。  基本的に他人に感染させる心配はないのでご安心ください。登校や出勤も構いませんが、発症から一週間くらいは安静に過ごすことをお勧めしています。

ウイルスによって発症するプロセス

  1. 口、鼻、喉などから体内に侵入して好みの細胞に吸着 
  2. タンパク質の殻を脱ぎ捨て遊離した核酸DNAまたはRNA〕が細胞の核に入り込む
  3. タンパク質と核酸を大量合成する
  4. 細胞内で合成されたタンパク質と核酸が合体し新しいウイルス複製が完成する
  5. 細胞が破壊され新しいウイルスが放出する出芽  

帯状疱疹が増加する原因は乳幼児の、水痘ワクチン定期接種化が最大の原因です。
また、糖尿病患者は痛みがわかりにくく気づかない事もあるため、鏡などを使って全身チェックしてみるのをお勧めします。

帯状疱疹を確実に予防する方法は現在ワクチン接種のみです。 2種類の予防ワクチンがあり、一つは生ワクチンで、もう一つは不活化ワクチンです。 接種回数や、持続年数が異なりワクチンにも発熱などの副反応も多いため事前の確認説明を受けてからが良いでしょう。 

帯状疱疹の最大の治療目的は、痛みが残らないようにすることです。 抗ウイルス薬は、腎機能に影響する事もある為年齢や持病なども考慮されます。 薬を飲んで水痘が増え続けても心配は入りません。 抗ウイルス薬の効果が出るのは飲み始めて二、三日後からですので自己判断でも中止は危険です。

帯状疱疹の後遺症や合併症には注意が必要です。神経の損傷による痛みに加え脳が痛みを記憶してしまうからです。 その為高齢者や、急性期の症状が重かった人はPHNが、残る可能性が高いことがわかっています。

帯状疱疹は、加齢や疲労などにより誰でもいつなってもおかしくない痛みを伴う辛い病気です。
ワクチン接種により予防する事が可能ですので、特に50歳以上の方は早めに接種して 健康的な生活習慣を心がけましょう。   

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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。

【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了

【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任

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