テニス肘とは
普段、部活動やお仕事で長時間重たいものを扱ったり、繰り返し何度も同じ動作をしたりなどして腕を痛めてしまった経験がある方もいらっしゃると思います。肘が痛くなる病気にテニス肘を含めて様々あります。
変形性関節症、ゴルフ肘、関節リウマチ、肘部管症候群などが挙げられます。
テニス肘はその中でも「肘の外側」が痛い時に考えられる病気です。
前腕(肘から先)の伸筋群(手首を甲側におる筋肉群)は上腕骨の外側上顆という部位(肘の外側)にくっついています。そこが筋肉の収縮に伴って引っ張られて炎症を起こした状態です。
テニスのバックハンドの動きで使用する筋肉なので、この名前が付いたのでしょう。物を握ったり、雑巾を絞ったりする動作でも痛みが生じ、日常生活に大きな影響を及ぼしてしまいます。
テニス肘の診断・検査
テニス肘の診断を行う上で、下記の検査をいくつかの検査をおこないます。
レントゲン検査
テニス肘は筋肉の炎症のため、レントゲン検査(単純X線検査)では、異常はほとんどみられません。ですが、他の疾患との鑑別するためにも必要な検査となります。
Thomsen(トムセン)テスト
患者さんに肘を伸ばしてもらい、手をグーにしてもらいます。
そして、手首を上にそらしてもらい、その状態から医師が反対方向に力を加えた際に、肘の外側に痛みが出るかどうかを確認します。
Chair(チェアー)テスト
患者さんに肘を伸ばしたまま椅子を持ち上げていただいた際に、肘に痛みが出るかどうかを確認します。
尚、進行状況によって治療方法や期間は異なる為、必要に応じて超音波検査やMRI検査をおこなう場合もあります。
治療方法
薬物療法
症状が軽い場合、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs=ロキソニンなど)や湿布をすることで炎症を抑え、症状を改善していきます。
ですが、長期間飲み薬を使用していると胃が荒れなど消化器への副作用が出る場合がありますので、注意が必要です。
装具療法
肘用のサポーターを装着することで前腕の伸筋腱を圧迫し、患部にかかる力を減少させます。
ステロイド注射
物が持てないなど仕事や日常生活に支障が出るほどの強い痛みがあり、発症から6週間以内の急性期である場合、炎症を鎮める効果があるステロイド注射は効果的です。尚、一次的に鎮痛効果があるのですが、根本的な改善にはつながりませんので、その間にリハビリをおこなうことで症状改善を目指していく必要があります。
理学療法
ステロイド注射のような即効性はないですが、中長期的にみると温熱療法やレーザー治療、ストレッチなどの理学療法が最も効果的です。