はい、整形外科で診ることができます。整形外科での診療から治療について説明いたします。
診察の際に何を診るか
問診で筋肉の痛みか、手のしびれなどの神経の症状が出ていないかなどの症状を伺います。レントゲンで首の状態を確認し、必要に応じて採血や骨密度などの検査を行っていきます。また、症状によっては、CTやMRIの診断を必要とすることがあります。
以上のことを踏まえて、治療方針を提案していきます。
くびの症状にはどんなものがあるのか
くびの痛みには以下のような症状があります。
❶くびや肩の痛みやこり、強い張り
❷くびから肩甲骨、腕にかけての痛み、しびれ
❸交通事故やスポーツ中などの衝撃を受けた際に生じた痛み
❹手の脱力感(握力の低下)
これらの中には、一見くびの状態とは連想しづらいものもありますが、
「❶くびや肩の痛みやこり、強い張り」には変形性頚椎症やストレートネックによるものが考えられます。
「❷頚椎症の中でも、くびから肩甲骨、腕にかけての痛み、しびれ」が起こる方には頚椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニアによるものが考えられます。
「❸交通事故やスポーツ中などの衝撃を受けた際に生じた痛み」には、むちうち(頚椎ねんざ・頚椎挫傷・外傷性頚部症候群)が考えられます。
「❹手の脱力感」には、くびから肩にかけての神経の通り道が狭いと、血管や神経が圧迫されることにより生じる胸郭出口症候群によるものが考えられます(時には頭痛やめまい、吐き気が生じることがあります)。
くびの症状に対して、どんな治療をするのか
大きく分けると
- 投薬治療
- 注射
- リハビリ(理学療法)
があげられます。
・投薬治療
くびの症状がでている範囲や痛みの強さに応じて、患者さんのご希望も踏まえて痛み止め(炎症を抑える消炎鎮痛剤や湿布薬、筋肉の過度な緊張を抑える内服薬、しびれを軽くする内服薬、慢性的な痛みを軽くする内服薬 等)の処方を行っております。
・注射
痛みが非常に強く、動くのが困難な場合にはブロック注射、トリガーポイント注射を提案しております。これは、神経や神経の周辺に、局所麻酔薬などを注射する療法です。
神経ブロック注射により、筋肉のこわばりや血流を改善して炎症を抑えていきます。自然治癒力を助け、痛みやしびれなどの症状を改善させるものです。
特に、くびの場合には「星状神経節」という交感神経の節に局所麻酔薬を注射して、交感神経の機能を一時的に抑えます。
・リハビリ(理学療法)
当院整形外科では、理学療法士によるリハビリを提供しております。痛みの軽減、痛みによって抑えていた患者さん自身の生活上の「やりたいこと」の達成に向けて、お一人おひとりに合った訓練メニューを提供しております。
☆主に行っていること☆
・くびの痛みを引き起こしている姿勢の改善に向けた訓練
・硬くなっている筋肉の緊張を軽くする、ストレッチの指導
・使いづらくなっている筋肉を強化する、運動療法
・痛みを引き起こす姿勢や体の使い方を伝え、その対策方法の指導
(自主トレーニングの指導を含める)
また、当院では運動を通して痛みを軽減、予防するためのプログラム「リハティス(リハビリ+ピラティス」も土曜日の14:30から行っております。お気軽にご参加ください。
パーソナルジム「こもれびテラス」についてはこちらをご覧ください
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この記事は、医療法人社団 百年会の理事長、田部田 英之が監修しています。
【経歴】
2002年 慶応義塾大学医学部卒業
2003年 順天堂大学ペインクリニック入局
2006年 保谷厚生病院麻酔科長就任
2009年 BIGTREE.練馬クリニック院長就任