転んだ拍子に膝をぶつけてしまったら

転倒して膝関節をぶつけることは多いですよね。転倒した際は整形外科で骨折の有無・程度、軟部組織の損傷の有無・程度を確認することが大切です。お近くの整形外科で診察・検査することをオススメします。
本日、ご紹介するのは経験を積んだ整形外科医師でないとわからない膝関節のレントゲン情報についてです。また患部だけでなく、予防的な視点からの診療もご紹介します。

整形外科でのレントゲン検査

整形外科に来院された場合、問診した後にレントゲンを撮影することが一般的でしょう。整形外科のレントゲンでは患部周辺を含めた全体像をみることができます。全体像をレントゲンで見ることによって、大きな骨折、その他異常がないかをスクリーニングします。

①の正面像からわかること
脛骨外側顆 骨棘
外側上顆 骨棘
膝関節アライメントOK

①左膝関節正面像
②左膝関節側面像

③のスカイラインからわかること
膝蓋骨のに対して垂直に骨折線のようなものがありますが、これは骨折線でなく膝蓋骨ではよく見られるものです。
膝蓋大腿関節(以下、PF関節)が狭小化しています。

③左膝関節スカイライン

整形外科での治療から予防まで

レントゲンの検査の結果をみると今回は骨折はありませんでした。年齢などを考慮すると、今度は骨を弱くしないように骨粗鬆症の治療をしていく必要があります。骨粗鬆症のお薬は様々あります。そのうちの一つをご紹介いたします。

ビスホスホネート製剤

整形外科で処方されるビスホスホネート製剤は、骨粗鬆症のお薬で頻度はさまざまなタイプがあります。効果としては骨を壊す破骨細胞の作用を抑え、骨量の低下を抑えます。整形外科領域において、骨量の低下を防ぐことは骨折の予防に最適です。治療を定期的に継続することで、骨密度へ結果が出てきます。

尚、整形外科で処方されるビスフォスフォネート製剤は、水以外の飲み物や食べ物が胃の中にあると、十分体に吸収されません。そのため、起床後すぐの空腹時にコップ1杯の水で服用し、その後の食事までは30~60分間空ける必要があります。また、口の中や食道に付着するとその部分を刺激し、炎症やただれを起こしてしまう危険性があるため、その30~60分間は横にならないようにします。現在では様々な方法で服用できますので医師に相談してみてください。

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