最近腰痛が年齢と共につらくなってきました。予防のための運動やストレッチを素人が勝手やるともっとひどくなるのではないかと心配です。

腰痛を予防するには

つらい痛みになる前に、生活の中にある腰痛の原因を取り除きたいですよね?

特にデスクワークの多い人は、座る姿勢を改善して腰に負担のかからない座り方を身につけることが大切です。
日常のすきま時間には体操やストレッチを取り入れ、体の柔軟性を保ちましょう。さらに、適度な運動を習慣にして、腰痛になりにくい体を作りましょう。

正しい姿勢とは?

よい姿勢を保つ】
長時間のデスクワークなどで猫背を続けるなど姿勢がよくないと腰に負担をかけて背骨のS字カーブを崩してしまいます。よい基本姿勢を身につけ、常に保つことを心がけて座りましょう。

〔よい姿勢〕
1. あごを引く
2. 背筋を伸ばす
3. 腰と脚の付け根が直角になるように深く座る

〔悪い姿勢の代表〕
1.猫背
2.背もたれに寄りかかる
3.腰を反った姿勢


このような悪い姿勢は筋肉を緊張させて疲労が大きくなります。

腰痛を予防するストレッチ(部位別)

腸腰筋のストレッチ

腰を背中側から支えているのが脊柱起立筋という筋肉で、お腹側から支えているのが、腸腰筋です。
腸腰筋は太ももを持ち上げる働きがあり、座っていると縮み、立つと伸びます。腰痛の人は腸腰筋が硬くなっていることが多いので、このストレッチでゆるめていきましょう。

  • 足を前後に大きく開いて立ちます。手を腰に当てておきます。
  • 右ひざを深く曲げ、上半身を下げて、股関節を伸ばします。この姿勢を20~30秒キープ。左右5回行います。

腰を丸めるストレッチ

固まった腰椎やその周囲の筋肉をゆるめるストレッチです。

腰部脊柱管狭窄症の方にもおすすめしているストレッチですが、腰椎椎間板ヘルニアの方は、椎間板が押し出されて痛みが増すことがあるので、行わないようにしてください

  • イスに座り、ひざを抱えるように上体を前に曲げます。
  • 30秒キープして元の姿勢に戻ります。これを5回くり返しましょう。

太もも後ろを伸ばすストレッチ

太ももの後ろの筋肉(大腿二頭筋)は骨盤の坐骨についているため、ここの筋肉が固まると骨盤が引っ張られて背骨のバランスを崩し、腰痛の原因になります

このストレッチで筋肉をゆるめ、関節の動きをよくすることで、腰痛を予防しましょう。

  • 足を肩幅より大きく広げます。
  • 左のひざを曲げ、右足の太ももの後ろを伸ばします。
    この姿勢を20~30秒キープしましょう。左右の足を入れ替えて、これを5回行います。

胸のストレッチ

腰を丸めるストレッチをしたら、今度はその逆です。

腰痛は背骨のS字カーブが崩れ、腰への負担が増すことで起こります
胸のストレッチをすると、猫背を矯正し、正しい姿勢づくりが期待できます

  • 足を肩幅に開いて立ち、両腕を背中に回して左右の手を握ります。
  • 顔を上に向け、ひじを伸ばして胸を張りましょう。両腕を握ったまま、左右の肩甲骨を寄せるイメージで、体からできるだけ離して、後方、斜め下の方向に押し下げます。
  • 10秒~30秒キープしたら、力を抜いて1の姿勢に戻ります。これを5回程度くり返します。

当院では、腰痛治療の一環としてリハビリ施設も併設しております。

腰痛が気になる方
▢腰痛予防・悪化防止でストレッチを家で行いたいが正しく出来ているか分からない方

その他気になる方等いましたら、一度当院へご相談ください。

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この記事は、BIG TREE. 荻窪クリニックの院長、榎本達也が監修しています。

【資格】
ペインクリニック学会専門医
東京都かかりつけ医認知症研修終了

【経歴】
2005年 順天堂大学医学部卒業
2005年 公立学校組合共済 関東中央病院 内科研修医
2007年 順天堂大学麻酔科学ペインクリニック 講座入局
2011年 順天堂大学大学院卒業(痛みと抗うつ薬に関する論文にて学位授与)
2014年 米国Boston scientific surgical centerにて脊髄刺激電極について研修
2015年 武蔵野陽和会病院 整形外科医員
2022年 BIGTREE.荻窪クリニック院長就任

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